大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和25(あ)1737 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人A同Bの負担とする。

理 由

被告人Cの弁護人寺崎文二の上告趣意について。

所論一、は昭和二二年八月二五日政令一六五号が、従前から占領軍財産を所持す

る者をも、右政令の公布施行の瞬間から、なんらの予告なしに違法な所持者とする

点において、基本的人権を侵犯し憲法に違反するものであると主張する。しかし、

昭和二二年八月二五日所論政令一六五号が公布施行される前においても、正当な権

限なくして占領軍財産を所持する行為は、同年六月二七日連合国最高司令官の日本

政府宛刑事裁判権の行使の修正に関する覚書が発せられた後は、占領目的に有害な

行為として、昭和二一年勅令三一一号により、日本の裁判所で処罰せられる関係に

あつたのである。(昭和二四年(れ)二六三六号同二五年七月一三日当裁判所第一

小法廷判決参照)。そしてまた、所論政令の公布施行以前から正当な権限に基いて

占領軍財産を所持する場合には同政令施行後も、もとよりその所持が違法とせられ

るわけではない。これらの点につきすべて反対の見解に立つ所論違憲の主張は、ま

つたく前提を欠くがゆえに理由がない。なお、論旨二は、量刑不当の主張であるか

ら適法な上告理由とならない。

被告人Dの弁護人黒田喜蔵の上告趣意について。

論旨は、原審の是認した第一審判決の量刑不当を主張するにほかならないので、

上告の適法な理由とならない。

被告人B、同Aの弁護人位田亮次の上告趣意について。

所論は、第一審判決の事実の認定に違法があり、従つて憲法三一条に違反すると

いうのであるが、原審においては控訴趣意として第一審判決の量刑不当が主張され

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ただけで、事実の認定については不服が申立てられていない。従つて、原判決が判

断を示していない、かゝる事項を上告の理由とすることはできない。のみならず記

録を調べても、第一審判決に所論のような違法は認められない。なお、各被告人に

対する本件には刑訴四一一条を適用すべき事由も存しない。

よつて、各被告人に対しては刑訴四〇八条を、被告人A、同Bに対しては同法一

八一条をも適用し、裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和二七年三月四日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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